おはこんばんちわ。
金リテ小校長の三旬歩です。
前回楽天証券のiDeCo商品を評価しました。
今回はSBI証券のiDeCo商品を評価し、
独自の視点でオススメをピックアップしてみることにしました。
iDeCoのメリットについては
別記事を用意しているので
そちらを参照してください。
SBI証券のiDeCoは2つのプランがある!?
SBI証券ではiDeCoでの取扱商品が全て合わせると87本もあります。
そのうち、29本は既に除外が決まっていますが、それでも58本もあります。
実は、2018年5月のiDeCoの制度改正で、
iDeCoの取扱商品のラインナップを35本までに抑えるように法律が改正されました。
それでも現状58本も取扱商品を持っているのです。
実はそれにはカラクリがあります。
それが2つのプランに分けてしまうこと!
かなりのウルトラCですが、
今のところ行政指導がはいる様子はありません。
2つのプランはどんなプラン?
1つは、オリジナルプラン。
これは2005年のiDeCo開始当初から提供されているプランで、他の証券会社と同じようにコストや運用実績を総合的に評価して選定した35商品となっています。
もう1つは、セレクトプラン。
これは法改正があった2018年11月に導入されたプランで、
”「低コスト」と「多様性」にこだわって選定した商品ラインナップ“だそうです。
※SBI証券HPより引用
この2つのプランを持つことで、
実質35商品を超えたラインナップを提供していることになります。
ということで、個別の商品評価も2つの記事に分けないと
長すぎてやってられないので、
この記事では「オリジナルプラン」の商品を評価したいと思います。
セレクトプランの評価についてはこちらを参照してください。
【iDeCo】SBI証券セレクトプランでオススメのiDeCo商品は?
取扱商品の除外基準は?評価項目は?
除外基準は?
SBI証券のオリジナルプランでは、
2020年7月2日現在、
定期預金も含めると38本の商品を取り扱っています。(ん?35本を超えているぞ??)
このうち、
・購入手数料がかかるもの
・売却手数料がかかるもの(信託財産留保額があるもの)
・信託報酬が1%を超えるもの
を除外すると
全部で19本に絞れます。
評価項目は?
以下の項目を評価・考察します。
・純資産総額
・信託報酬
・ベンチマーク指標もしくは投資分野・地域など
・パフォーマンス(騰落率とその平均)
・同分野の別の投資信託との比較 など
各項目の詳しい内容については下記に書いてあるので、
そちらを参照いただければと思います。
個別の評価
国内株式
評価対象は、
・DCニッセイ日経225インデックスファンドA
・三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
・SBI TOPIX100・インデックスファンド
・野村DC・JPX日経400ファンド
の4本となります。
SBI証券の分類の中には
ひふみ年金も国内株式として分類されていますが、
10%以上を海外株式に投資しているため、
当記事では内外株式として分類します。
DCニッセイ日経225インデックスファンドA
純資産総額 60.6億円、信託報酬 0.1859%。
日経225をベンチマークとしたパッシブファンドです。
ファーストリテイリングに8.7%、ソフトバンクGに4.9%など
日経平均株価への寄与度が高い銘柄が当然上位を占めます。
騰落率はTOPIXよりややいいようです。
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
純資産総額 344.6億円、信託報酬 0.176%。
TOPIXをベンチマークとしたパッシブファンドです。
トヨタ自動車3.48%、ソニー1.89%など、
楽天証券の同名商品と全く同じマザーファンドに投資するため、
構成銘柄も全く同じとなります。
SBI TOPIX100・インデックスファンド
純資産総額 67.4億円、信託報酬 0.264%。
TOPIXをベンチマークとしたパッシブファンドです。
同じTOPIXをベンチマークとする三井住友DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドと構成銘柄も同じです。
信託報酬だけ、こちらの方が0.1%高いだけ・・・。
野村DC・JPX日経400ファンド
純資産総額 7.5億円、信託報酬0.275%。
JPX日経インデックス400をベンチマークに運用されています。
組入上位銘柄は、
ソニー 1.7%
日本電信電話 1.6%
任天堂 1.6%
キーエンス1.6%など、
電気機器関連が15%、情報通信業が8.6%と、
IT関連に傾いているような気がします。
JPX日経400がそういうインデックスなんでしょうね。
これら4商品のどれに投資するかを決めるためには、
日経平均株価に乗るのか、
JPX日経400に乗るのか、
TOPIXに乗るのかで変わってきます。
日経平均株価は225銘柄、
JPX日経400は約400銘柄、
TOPIXは東証一部上場の全2,081銘柄に分散投資していることになります。
あとは好みの問題になりますか。
唯一言えることは、
SBI TOPIX100はやめておきましょう。
同じTOPIXをベンチマークにしている
信託報酬の安い商品がありますから。
国内債券
SBI証券には純粋な国内債券ファンドは2本しかありませんが、
野村日本債券ファンドは除外対象になっていますので、
評価は三菱UFJ国内債券インデックスファンドのみとなります。
三菱UFJ国内債券インデックスファンド
順資産総額 410億円、信託報酬 0.132%。
NOMURA-BPI総合指数をベンチマークにしているパッシブファンドです。
日本国債に81.6%、その他地方債や社債、特殊債に投資しています。
特に国内債券に投資したい場合には選択の余地はありません。
信託報酬も比較的安めなので、迷わなくて済みますね。
海外株式
海外株式では、
・EXE-i 先進国株式ファンド
・EXE-i 新興国株式ファンド
・iFreeNYダウ・インデックス
・三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド
・DCニッセイ外国株式インデックス
の5本が評価対象となります。
農林中金のおおぶねは信託報酬の基準はクリアですが、
純資産総額が少ないことと、まだ若い投資信託であること、
他の投資信託と比べてやはり信託報酬が0.99%と割高なことから
除外としました。
EXE-i 先進国株式ファンド
純資産総額 97.6億円、信託報酬 0.313%。
日本を除く海外の先進国のインデックスファンドに投資するファンドです。
シュワブUSブロードマーケットETF、バンガードFTSEヨーロッパETF、バンガードFTSEディベロップド・アジア・パシフィックETFの3本に投資しています。
地域的には、米国に60%、欧州先進国に30%、アジア太平洋に10%です。
EXE-i 新興国株式ファンド
純資産総額 98.8億円、信託報酬0.3635%。
SPDRポートフォリオ新興国株式ETFに95%を投資することで、
S&P エマージング・ブロード・マーケット・インデックスをベンチマークのメインとするファンドです。
詳しい地域や構成銘柄は目論見書に記載がありませんでした。
iFree NYダウ・インデックス
純資産総額176億円、信託報酬 0.2475%。
NYダウ・ジョーンズ工業株価平均をベンチマークとするファンドです。
個別銘柄を扱っており、
資本財・サービスに20%
情報技術に19.1%
金融に14.7%
一般消費財に13.2%
ヘルスケアに11.4%となっています。
全構成銘柄は、個別株31銘柄と投資信託1本です。
三菱UFJ DC新興国株式インデックスファンド
純資産総額 262億円、信託報酬 0.374%。
MSCIエマージング・インデックスをベンチマークとするファンドです。
20%ほどが香港の企業なので、
先日成立、公布された香港国家安全法がどう影響するか・・・。
DCニッセイ外国株式インデックス
純資産総額 354億円、信託報酬 0.154%。
日本を除く、主要先進国の株式に投資し、MSCIコクサイ・インデックスをベンチマークとするファンドです。
地域は米国に67%、欧州に20%弱を投資するため、EXE-i先進国株式ファンドと似通っていますが、ベンチマークとするインデックスが違うので、同じものとは見なせません。
構成銘柄は、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、JPモルガン、アルファベットなど、米国ITの錚々たる企業が上位となっています。
5本評価してみましたが、
EXE-iシリーズは純資産総額や信託報酬の点から除外されそうです。
というより、
先進国株式なら
DCニッセイ外国株式インデックス
新興国株式なら
三菱UFJ新興国インデックスファンドが上位機種のような印象です。
米国ダウに投資したければiFreeNYダウでしょうが、
そうなれば、EXE-i先進国ファンドにして
米国だけでなく、欧州も30%くらい入れると分散になるかもしれません。
海外債券
海外債券では、
・野村外国債券インデックスファンドDC
・三菱UFJ新興国債券インデックスファンド
の2本が評価対象となります。
いたってシンプルに
先進国債券にするか、新興国債券にするかの違いですね。
野村外国債券インデックスファンドDC
純資産総額 405.6億円、信託報酬 0.154%。
FTSE世界国債インデックスをベンチマークとするファンドです。
上位組み入れ10位まで全て米国国債です。
三菱UFJ新興国債券インデックスファンド
純資産総額 104億円、信託報酬 0.374%。
ほぼ全てが国債ですが、ブラジル、南アフリカ、メキシコなどの南米やアフリカ方面の国債が多いようです。
単純に先進国債券にするか、新興国債券にするかの違いで決めればよいと思います。
あるいは、両方取り入れても問題はありません。
三旬歩は、あまりデフォルトリスクを入れたくないので
野村外国債券インデックスファンドDCにするでしょうね。
ただ、三菱UFJ新興国債券インデックスファンドも
悪いファンドではなさそうなので、新興国のデフォルトリスクを呑めるのなら選んでもいいかもしれません。
国内REIT
評価対象は、
・DCニッセイJ-REITインデックスファンドAのみです。
DCニッセイJ-REITインデックスファンドA
純資産総額 37.4億円、信託報酬 0.275%。
日本ビルファンド投資法人やジャパンリアルエステイト投資法人、野村不動産マスターファンド投資法人など、REITに興味のある人なら誰でも知っている銘柄への投資を行っています。
個人的には、国内リートにはあまり期待していません。
今後少子高齢化がもっと進み、都心でさえ空き家が増えてきて、それを有効活用できない現状において、日本での不動産投資は行き詰まると思っています。
唯一は、外国人労働者を日本にたくさん呼ぶことですが、
それも日本人の性格的になかなか受け入れられないでしょう。
そう考えるとJ-REITは先細りでしょうかね。
海外REIT
海外REITはそもそも運用が1本しかないため、中身だけ確認します。
三井住友DC外国リートインデックスファンド
純資産総額 61.8億円、信託報酬 0.297%。
70%以上が米国で、その他オーストラリアやイギリス、シンガポールなどです。
マザーファンドが楽天証券の同一銘柄商品と同じです。
外国REITもコロナショックでこの先どうなるか不透明ですが、
まだ外国の方が、人口増加の可能性が高いためJ-REITよりはG-REITでしょうね。
金
三菱UFJ純金ファンド
純資産総額 352億円、信託報酬 0.99%。
安全資産である金に対して投資するファンドです。
現状コロナショックのせいで高止まりしているため、新たに手を出す気にはなれませんね。
内外株式
SBI証券には、単純なパッシブファンドだけでなく、様々な資産に分野を超えて投資するファンドが多数あります。
内外株式のうち、基準をクリアするものは
・ひふみ年金
・EXE-i グローバル中小型株式ファンド
の2本です。
ひふみ年金
SBI証券の分類では国内株式に分類されていますが、海外株式にも10%強を投資しているため、ここでは内外株式に分類しました。
純資産総額 313.5億円、信託報酬 0.836%。
日本株式に85%を投資するため、騰落率はほぼTOPIXと同じですが、
組入上位にマイクロソフトやVISAなどが入ってきます。
EXE-i グローバル中小型株式ファンド
純資産総額 64.8億円、信託報酬 0.331%。
バンガード社のスモールキャップETFとFTSE・オールワールドスモールキャップETFに投資することで、全世界の中小型株に投資することになるそうです。
米国が60%、その他40%ほどの比率だそうです。
内外複合資産
この分野がSBI証券では一番面白いファンドたちでしょうか。
少し評価基準からは外れるのですが、
面白いファンドがあるので評価したいと思います。
セレブライフ・ストーリーシリーズ
信託報酬が0.7%前後で、信託財産留保額の設定があるため、
評価基準からは外れますが、楽天のターゲットイヤーシリーズのような、目標年に向かって投資比率を変えていく商品となっています。
国内株式、先進国株式、新興国株式、それぞれの債券、REIT、コモディティ、ヘッジファンドの9つの分野を、そのステージによって配分を変えて運用するようです。
徐々に安定志向になっていくようです。
DCインデックスバランスシリーズ
信託報酬 0.154%で国内株式、海外株式、国内債券、海外債券の4分野に分散投資する商品です。株式割合が20%から80%まであり、個人のリスク許容度から選択することができるようになっています。
野村DC運用戦略ファンド(愛称:ネクスト10)
純資産総額 276億円、信託報酬 0.154%。
これも内外の株式、債券、REITに分散投資する商品ですが、為替ヘッジがあります。
内外問わず、債券に比重が重い構成になっています。
iFree8資産バランス
純資産総額 210億円、信託報酬0.242%。
これは非常に分かりやすい商品で、
内外の株式、債券、REITの8分野に均等分散投資を行うという商品です。
全世界の株式・債券・不動産に対して投資していることになります。
騰落率を見ると、
日本国債よりも大きく、先進国国債よりも小さいくらいになっています。
一方平均はどの国債よりも高くなっているため、リスクを抑えながら、まあまあのリターンを得ている構造になっています。
定期預金
4本の元本保証型の定期預金がありましたが、3本については除外が決まっているため、あおぞらDC定期預金の1本だけになります。
預金利率は0.02%、預入期間は1年間となります。
楽天証券のみずほDC定期預金の10倍の預金利率ですが、まあ、たかが知れてます。
組み合わせはどうしたらいい??
また、例によっていくつかのパターンに分けれると思います。
・日本だけに絞りたい方
・株式だけに絞りたい方
・全世界の全ての分野に広く分散したい方
・元本を削りたくない方
日本だけに絞りたい方
・三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
・三菱UFJ国内債券インデックスファンド
この組み合わせで日本の株式・債券に広く投資していることになります。
もしREITも含めたければ、
・DCニッセイJ-REITインデックスファンドAも加えるといいでしょう。
株式だけに絞りたい人
・三井住友DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
・DCニッセイ外国株式インデックス
新興国も行きたければ
・EXE-i 新興国株式ファンドも加えるでしょうか。
全世界の全ての分野に広く分散したい方
・iFree8資産バランス
SBI証券では、これが一番簡単かもしれません。
これ1本で、8資産全てに分散ができます。
さらに分散を広げたければ
・三菱UFJ純金ファンド もいれましょう。
元本を削りたくない方
100%定期預金という選択になります。
毎月掛け金から取られる171円の手数料は、
掛金控除で取り戻すなら元本保証という形になりますね。
まとめ
以上が個別にSBI証券のiDeCo取扱商品を評価した上でのオススメの組み合わせでした。
ご参考になりましたでしょうか。
三旬歩は個人的にアクティブファンドよりパッシブファンドの方がいいと思っています。一方で、アクティブファンドに投資される方も一定数いらっしゃいます。
そういう方たちの意見も聞いてみたい所です。
最後に、投資は自己責任でお願いしますね。
この記事に触発されて投資して大損害を被っても、当ブログも管理人三旬歩も責任は一切負いませんのであしからず。
コメント